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    人生・仕事・事業に関する雑記 その6
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      心ある人は礼状を出す

       

       今は勇退している経営者仲間の方が、来社されました。

       2年程時間をかけての自分史をようやく上梓されたとのことで、ご持参下さいました。昔からの仲間として、私に直接に手渡したいということで有難く頂戴いたしました。

       一読して、さすがに彼の人生そのもので、立派な出来栄えの一冊でした。お話の中には、日頃私も強く感じていることが指摘されておりました。

       完成した本はご自身が選んだ近しい方と、若手の方で現在お仕事を頑張っておられる約120名に挨拶状をつけて送付したとのことでした。

       それから1ヶ月程たったのち、約半数の方から手紙やハガキ、そしてメールの礼状が届いたとのことでした。彼は連絡がない人のことを病気でもしているのではないか、何かあったのではないかと心配しておりました。心根の優しい方だと改めて感じました。

       

       若い人からの礼状が少ないことに関して、私は、自分の経験も踏まえていろいろ思うところを話させて頂きました。彼等は、良好な人間関係を保つことが、私生活や仕事でどれほど大切かということがわかっていないのではないでしょうか。人や仲間、先輩たちとの関係を維持するための社会的知性(わきまえ、心得、礼儀や作法など)が欠落しているように思うのです。そして今の世の中は、こうした礼節の大切さについての指導がなされておらず、それこそが現代の人間関係における不幸だと、お話しさせて頂きました。

       

       人に親切にされたらしっかりと謝意を表わす。手間や費用をかけてプレゼントして下さった方の思いに、どのようにこちらが気持ちを込めてこたえるか。

       今流行りの「忖度(そんたく)」とは、本来政治の場面などで使われる言葉ではなく、相手の気持ちを推しはかり、日常的な人と人との関係を良好に長続きさせるため必要不可欠な術なのだと思っています。

       

       常々感じていることですが、昨今は、とくに若い人達において、人の好意に対して無神経な人が多過ぎると思います。人に親切にされたら「ありがとうございます」という感謝の意を、素直に、速やかに伝える日常でありたいと、人生の先輩として苦言を呈していくほかないのかもしれないと、二人の間で結論となりました。

       彼が云うには、返事のない人は、自分の住所録から削除しておかねばと申しておりました。心ある人とだけ、今後はつきあっていくと云っておられました。

       何か切ない思いがしました。

       

       

      夏の終わりに 1985(昭和60)年9月のエッセイ

       

       去る8月12日、日航ジャンボ機墜落事故から32年。慰霊祭のニュース映像を、体調崩して入院した病院のベッドのテレビで見ておりました。

      歳月が流れ、32年の経過は人々の記憶を風化させ、現日航の社長の談話では、この事故を経験した社員は、全体の6パーセントとのことでした。

       

      この当時の私のエッセイでは (1985(昭和60)年9月)

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      夏の終わりに           

      日航機墜落の惨状は、例年にない八月の猛暑をより厳しいものとしました。

       そして誰しも「一寸先は暗(やみ)なのだ」と、人の生命(いのち)の危(あや)うさ、脆(もろ)さをしみじみ思い知らされた衝撃的な事故でした。(8月12日)

       発見された数通の遺書は、それぞれ男としての家族への責任と愛情に溢れ、人生半ばの無念の思いも含め「人生無常」と万感胸に迫ります。

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      とあります。

       

      今年のお盆休みは、空も陸も大きな事故がなく幸いなことだと思っております。

       

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